1stシーズン 独自定跡ガイド - 作り方とサンプル定跡の選び方
1stシーズンの育成棋士に必要な「独自定跡」の仕組みと作り方を解説。自作が難しい場合は、先手・後手のサンプル定跡を選ぶだけでも始められます。

自分の研究を、育成棋士の武器にする
定跡(じょうせき)とは、よく指される決まった手順のこと。
名人道の「独自定跡」では、自分で考えた序盤の手順をノートへ登録し、育成棋士に指させられます。登録手を指している間、棋士は最高の集中でその手順を実行します。
ただし、登録した手が良い手であることを保証する機能ではありません。相手の応手を予想し、分岐を増やし、何度も試す。作った人の研究と工夫が、そのまま勝負になる機能です。
まず知っておきたいこと
- 定跡ノートは会員の持ち物です。棋士が代替わりしても、育成をやり直しても消えません。
- ノートは3冊まで持てます。大きく直す前に複製して、控えを残せます。
- 先手用と後手用は別々に作ります。振り駒に備えて、両方を完成させましょう。
- 1手順は先後合計64手まで、先手用32本・後手用32本まで保存できます。
- 自作しなくても大丈夫です。 先手と後手のサンプルを選ぶだけでも始められ、取り込んだ後は自由に編集できます。
独自定跡の仕様
「64手」「32本」が何を表すのかを、先に整理します。
| 項目 | 上限・ルール | 意味 |
|---|---|---|
| 定跡ノート | 1会員3冊まで | 棋士ではなく会員が所有し、世代交代や引退後も残ります |
| 先手・後手 | 別々に作成 | 後手用も初期局面から、相手である先手の初手を含めて並べます |
| 1手順の長さ | 先後合計64手まで | 自分の手だけを64回ではありません。両者が交互に指した着手の合計です |
| 保存できる手順 | 先手用32本・後手用32本まで | それぞれ本線と分岐を含めた合計です |
| ノート名 | 24文字まで | 対局中は棋士の得意戦法名として表示されます |
| 登録できる着手 | 初期局面からの合法手のみ | 駒打ちや成りも、その局面で指せる手なら登録できます |
| 同一手順 | 同じ手番へ重複保存不可 | 完全に同じ手順を先手用または後手用へ二重登録できません |
つまり、先手用に最大32本、後手用に最大32本の手順を用意でき、各手順は初手から最大64手です。64手まで必ず定跡を続けるという意味ではありません。相手が登録外の手を指した場合や、局面が悪化した場合などは、それより前に通常思考へ移ります。
保存できない例
- 65手以上ある手順
- 先手用または後手用が32本の上限を超える状態
- 盤上で指せない手を含む手順
- 同じ手番にすでに保存済みの完全に同じ手順
- 削除済み、または別の会員が所有するノートの利用
保存時は画面だけでなくサーバー側でも、合法性、手数、所有者、重複を確認します。
1stシーズンでは独自定跡が必要です
1stシーズン以降に作成した育成棋士は、従来の通常戦法や「未設定」ではなく、独自定跡を使います。
白紙から作ることだけが条件ではありません。サイトが用意したサンプル定跡を取り込んだものも、正式な独自定跡です。先手・後手の両方に有効な手順を用意すると、オンライン対局、道場、オンラインライバル、テスト対戦などへ出場できます。
① 基本棋譜を決める
先手・後手のタブを選び、初期局面から自分と相手の手を交互に盤へ並べます。この最初の一本道が本線です。
作り方は3通りあります。
- サンプルから選ぶ
- 自分が指した直近の対局を取り込む
- 初期局面から盤へ手を並べる
最初は、先手と後手のサンプルを別々に選ぶ方法がおすすめです。後手用も、相手である先手の初手から並べてください。
② 相手の指し手による分岐を作る
実戦では、相手がいつも本線どおりに指すとは限りません。
棋譜の途中にある自分の着手を選び、「相手の別の応手を追加」から別の手と、それに対する自分の返しを並べます。これが分岐です。
「飛車先を伸ばされたら」「早い角交換」など、あとで内容が分かる名前を付けると管理しやすくなります。
分岐で自分の返しに迷った場合だけ、「次の一手候補を3つ見る」を使えます。「バランス」「攻め重視」「駒組み重視」「安全重視」から好みを選ぶと、狙いの異なる参考案を確認できます。候補は評価値順の答えではなく、選んでもすぐには登録されません。盤上で仮置きを確認してから採用でき、候補以外の手も従来どおり自由に指せます。
③ 強制力を調整する
強制力は、相手が想定外の手を指した後、予定していた自分の手をどこまで続けるかの設定です。棋力そのものを上げる設定ではありません。
| 設定 | 考え方 |
|---|---|
| 見切り | 想定を外されたら、早く通常思考へ戻る |
| 慎重 | 数手だけ形を作り、早めに通常思考へ戻る |
| 標準 | 作戦と安全性の中間。迷ったらこれ |
| 強引 | 予定手を長めに押し通す |
| 一徹 | 登録手順を可能な限り最後まで続ける |
押し通すほど狙った形を作りやすくなりますが、局面に合わない手を続ける危険も増えます。盤上で指せない手になった場合は、強制力に関係なく通常思考へ戻ります。
④ 想定外の指し手を分岐へ加える
「定跡テスト」で1局動かすと、相手が登録外の手を指して定跡を外れた場所が分かります。
その局面にある「この手への分岐を追加」から、新しい分岐を作れます。すべての可能性を最初から入れる必要はありません。実戦で何度も外される手から、少しずつ厚くするのが近道です。
⑤ 先手・後手でテストして微調整する
相手の強さと先手・後手を選び、1局ずつ試します。
定跡テストは記録、報酬、育成進行、レーティングへ影響しません。次の3点を確認し、必要なら本線・分岐・強制力を直して再テストしましょう。
- 定跡が何手目まで続いたか
- どの応手で想定を外れたか
- 定跡を終えたときの形勢はどうだったか
登録した手順の最後まで進んだ場合は「定跡の終わりまでたどり着きました」と表示されます。続きも仕込みたい場合は、その局面から指し手を追加できます。
定跡を外れた後はどうなる?
登録したところまで指し切った場合、相手の手に合う分岐がなかった場合、形勢が悪化した場合は、設定に応じて定跡を離れます。
次のいずれかで、定跡は終了します。
- 登録した手順の最後まで指した
- 相手の応手に合う分岐がなく、強制力による継続も終わった
- 形勢悪化が、設定した強制力の許容範囲を超えた
- 次に予定していた手が、その局面では合法でない
- 先後合計64手の上限へ到達した
その後は、育成棋士本来の強さ、戦法設定、基本作戦で最後まで対局します。一度離れた定跡へ、その対局中に入り直すことはありません。
秘策札は定跡を指している間は使えません。定跡を離れてから、名人への道と同じ選択画面で発動できます。
名人道杯では登録時の内容を固定
名人道杯では、参加登録時の定跡を大会用に固定します。締切後に元のノートを編集しても、その大会で使う内容は変わりません。
大会だけは運営上の救済として、有効な定跡がない場合にサイト独自制作の大会標準テンプレートを設定します。これは、通常対局で独自定跡なしを許す仕組みではありません。
最初はサンプルで大丈夫
定跡作りは、将棋を始めたばかりの人には難しい機能です。無理に白紙から作る必要はありません。
まずは居飛車、四間飛車、中飛車、三間飛車、向かい飛車、棒銀などのサンプルを選び、対局を見ながら1本ずつ分岐を加えてください。
限られた手順の中で、自分だけの独自定跡・独自戦法を編み出そう。